WORK
満たす×しごと

Project Story #02コラボレーション企画

“推し”への熱狂が生んだ
ホテル×エンタメの可能性。

Mission

東急ホテルズ&リゾーツは、近年エンタテインメント施策に力を入れています。たとえば、「Hello! Project」などのアイドルグループとのコラボレーション企画を多数実施。文化の発信地やファンコミュニティとしてのホテルの姿を提案し続けています。このプロジェクトの背景には、「ホテルの可能性を開放したい」というチームの熱い想いと絶対にあきらめない実行力がありました。

Member

「東急ホテルズ&リゾーツ」
常務執行役員
「セルリアンタワー東急ホテル」
総支配人
T.TAKEI
「SHIBUYA STREAM HOTEL」
料飲支配人
Y.YOSHIDA
「SHIBUYA STREAM HOTEL」
料飲 アシスタントマネジャー
N.NISHIHIRA
「東急ホテルズ&リゾーツ」
運営統括 運営企画 企画
N.YOSHIKAWA

「エンタメ=東急」を、若い世代に浸透させたい

ホテルと推し活。この、ありそうでなかった組み合わせは、長年事業企画に携わってきた武井の描いた、新たなホテル構想から生まれました。

「東京オリンピック開催を控えホテルが急増する中、店舗数の拡大を使命とした事業企画部門を任されましたが、先々供給過剰さえ懸念された環境でしたので、他と差別化でき、長く支持されるためには、“泊まるだけでない”目的性の高いホテルづくりが必要と考え、個性を重視した新規出店を展開してきました。新型コロナウイルスの蔓延により経済活動や人流が抑制され、マーケットが大きく縮小するというホテルの急増以上の逆風が吹くこととなりましたが、目的性の高さや個性にこだわってきたことが、“推し活”という景気に左右されないエンタメとのコラボレーションにつながりました」

ライブハウス型ホールを併設した「横浜東急REIホテル」、ファッションや音楽との親和性が高い「SHIBUYA STREAM HOTEL」は、まさにこうした武井のアイデアが具現化したもの。さらに、これからの市場を支える若い世代をターゲットに、アイドルグループとの協業を実現していきました。

「当時は会社としても、Z世代やミレニアル世代のお客さま獲得が課題視されていました。そこで、若い世代に支持される“Hello! Project”と手を組み、推し活カルチャーとホテルをコラボレーションさせる企画が閃きました」

武井のアイデアは、従来のホテルイメージからかけ離れているものでした。そのため、プロジェクトチーム内にも期待と不安が同居していたと言います。

「ホテルと言えば、食事や宿泊をする場所。私たちも若い頃からそういう認識で仕事をしてきたので、想像できませんでした」

と、メンバーはその時の気持ちを振り返ります。

ファンと同じ熱量を持つことが、成功の秘訣

そんなメンバーの不安を払拭するように、武井はどんどんプロジェクトを進めていきます。最適なホテルとプロジェクトメンバーを選定し、チーム編成にもこだわります。

「2023年の9月に実施した『Hello! Project 25th ANNIVERSARY CONCERT』とのコラボレーション施策は、Hello! Project推しのメンバーと私で企画を練り、チームで実現に向けたオペレーションを検討しました」

ファンを巻き込む施策で大切なのは、自分たちもファンと同じ熱量で取り組むこと。その一方で、実際にホテルで実施するためには数々のハードルがあります。だからこそ、企画と運営のチーム連携が重要になりました。

「たとえば、メンバーのアクリルスタンドをディスプレイする際に、知識がなければ名前と顔が一致しないという課題がありました。ファンの方からすれば、名前を間違えるというのは大問題なので、メンバーの写真入りリストを配布するなど、現場のアソシエイツが理解できるように配慮しました」

密な連携は、現場の熱量を引き上げるために欠かせない。それが、ひいてはお客さまに喜ばれるオペレーションにも繋がっていくのだと言います。

「ファンの方からすれば、私たちが“わかっている”という前提でお話をされます。私はアイドルにあまり明るくないので、社内のアイドルに詳しいメンバーのサポートを得ながら、必死に勉強しました(笑)」

届けたいのは、こころを満たすコミュニティ

ファンの方を想い、熱量を持って取り組む。その姿勢がお客さまにも伝わり、直近では2023年9月に「渋谷ストリームエクセルホテル東急(現・SHIBUYA STREAM HOTEL)」で実施したHello! Projectとのコラボレーションイベントが大成功。コンサート会場が渋谷から離れた代々木であったにも関わらず、多くのお客さまが来館しました。

「ファンの方に喜んでいただけるよう試行錯誤を繰り返して開発しただけあり、フードやドリンクも大好評でした。とくに、Hello! Project 25周年を記念したモクテル『ハロブル』は、何杯も注文してくださったお客さまも多く、2日間で200杯以上の販売につながりました。会場で流した懐かしいMVの演出、ファンクラブ限定発売の記念切手付きアクリルスタンドの展示などを見たお客さまからは、『こんなことまでしてくれてありがとう』と、感謝の言葉をいただきました」

コラボレーション企画による成果は、ドリンクの売上だけではありません。

「この取り組みにより新しいファン層の獲得につながっただけでなく、ファンの皆さんを通してこだわった個性と特徴あるホテル空間もあわせてSNSなどで好意的に拡散していただき、ホテルに対する高評価という副産物をももたらしました」

そして毎回意識しているのは、ただの販促企画ではなく、まちづくりの会社としてファンコミュニティの場を提供すること。だからこそ、席の配置一つにもこだわっていると武井は言います。

「たとえば、コラボメニューを予約してくださったお客さま同士を近くの席にご案内する。ホテルへ行くというのは敷居の高さを感じるかもしれませんが、まわりに座っているファンが仲間だと一気に恥ずかしさがなくなります。自然と会話がはじまり、そこに私たちも加わることで場に温かい空気が生まれる。そういった“こころを満たす時間”を提供していきたいという想いがあります」

エンタメを通じ、ホテルの可能性を開放する

ホテルの可能性を拡張することで、お客さまにとってホテルがより親しみやすい場所になる。それは同時にアソシエイツたちの意識を変えることにつながります。

「社内の『ホテルなのにここまでしていいのか』という不安に対して、背中を押すのが私の役目。その壁を越えることができると、自分たち自身が楽しくなりますし、その結果、他のホテルグループとの差別化にもつながっていきます」

もちろん、楽しいだけでなく、そこにはホテルの新たな収益獲得という観点もあります。

「会議や懇親会でご利用いただくような大きなバンケット(宴会場)は、夏休み、GW、年末年始など、企業がお休みの日には稼働率が落ちてしまう。逆に言えば、一般のお客さまは集まりやすいので、イベントスペースとして活用できる」

客室やレストラン、ホールなど、ホテルならではの空間をエンタテインメントに活用していく。そしてさまざまなカルチャーとコラボレーションさせることで、ホテル自体の可能性を開放していく。各ホテルの個性も、それによって生まれてきます。

「たとえば『SHIBUYA STREAM HOTEL』なら、ナイトエンタテインメントを象徴し、薄明かりで小さな声でお酒を楽しむのではなく、開放的な空間でお酒と音楽を楽しめる場所にしたいと考えています。その上で、それぞれの場所の魅力を活かしたイベントを企画し、発信することで、ゆくゆくは『東急ホテルズ&リゾーツのエンタメはおもしろい』というイメージをもっと浸透させていきたいです」

エンタメとしてのホテルの可能性を追求する。その先に、東急ホテルズ&リゾーツの新たなかたちが、ありそうです。